私の休日プチツーリング用スクーターであるPCX初期型(JF28)の後期モデルのギアオイル(トランスミッションオイル)を交換しました。スクーターのギアオイル交換は意外と忘れがちなメンテナンスですが、長く乗り続けるためにはしっかり定期的に交換しておきたいところですね。
PCXの初期型(JF28)のギアオイル(トランスミッションオイル)の交換時期は取扱説明書に詳細な記載があります。
・推奨オイル Honda純正 ウルトラE1 SAE 規格:10W-30
・オイル容量 全容量 0.14L(交換時 0.12L)
・交換時期 初回5年(以後4年ごと)
ということで、PCX(JF28)のギアオイルの交換は、エンジンオイルと同じオイルを使って、新車で購入した場合は5年目に行い、2回目以降は4年おきでOKということですね。
随分と交換サイクルが長めであるのに驚き、またエンジンオイルと同じオイルを使うのは意外でした。ちなみにヤマハのスクーターは大体10,000キロごとでオイルも専用のギアオイルを使うように指定されているので、この辺りメーカーによってかなり違いがあるもんだなと。
私のPCXは走行距離800キロほどの中古で購入しました。走行距離は少ないながらも、2012年式のJF28後期型であり、2020年では登場からすでに8年も経っています。走行距離800キロではおそらく前オーナーはギアオイルは交換していないでしょう。まあ仮にしていたとしても、ホンダの基準では交換時期はとっくに過ぎているので迷わず交換します。
ただギアオイルは、シグナスZのギアオイル交換時に以前購入したヤマハのヤマルーブギアオイル1Lがまだ余っていたので、こちらを使用しました。
これ何故かAmazon上では「2サイクル用」と表示されていますが、ギアオイルなんで2サイクルや4サイクルは関係ありません。実際の缶にも2サイクル用とは書いてませんからね。
4ストスクーターのギアオイル交換にも全然使えるどころか、メーカー問わずに使える万能ギアオイルです。複数台持ちの人でも1缶買えば、気兼ねなくギアオイル交換が出来るのでオススメです。
ちなみにこの記事は2021年の4月に書いていますが、中古で購入後しばらく経って走行距離が2,000キロを超えた2020年の11月頃に一度ギアオイルを交換しました。しかしその時に何故か写真を1枚も撮らなかったんですよ。なので、今回は前回の交換から大した期間は経っていないし距離も走っていないので全く交換の必要はないのですが、記事を書くために再度のギアオイル交換を実施しました。
それでは早速作業開始!まずは必要な道具を用意しておきます。
ギアオイルは交換容量が少ない(今回は0.12l)ので小さい容器で充分です。私はPEAカーボン添加剤を注入したときに購入した軽量カップにビニール袋をハメて使いました。
また内径8mmの銅ワッシャーは、オイル類の交換時に結構頻繁に使うので、ネットでまとめて購入しておきました。
そしてギアオイルとオイラーは既に所有しているものを使いました。オイラーは写真のものみたいな形状がオススメですよ。要するに注射器のように押して注げるタイプですね。これがないとスクーターのギアオイル交換はかなり大変だと思います。ちなみにこのオイラーは容器に容量のメモリも付いているのでスゴく便利ですよ。近所のホームセンターで購入したもの。
予めPCXのギアオイル交換時の規定量(0.12L)より若干多いほどの量をオイラーに入れておきます。何故多めに入れておくのか?については後ほど分かります。
さて交換の準備も整ったところで実際の作業を開始しましょう。
まずは車体左後方のクランクケースのさらに後方を見てみます。
何やら3つほどボルトがありますね。このうちの、、、。
赤丸部分の2つのボルト(ドレンボルト、オイルチェックボルト)を外して交換を行います。一番右のボルトは今回は関係ありません。
まずは上のオイルチェックボルトユルめます。緩めるだけで外さないように。オイル受けも忘れずにセットしておいてください。
次に下側のドレンボルトをユルめます。
このようにオイルが垂れてきます(私はオイルが垂れている写真が撮りたかったのでわざと手を止めて撮影)。通常は手を止めず、一気にそのままボルトを外します。
外れました。ドレンボルトを外したら、先程緩めたオイルチェックボルトも外してください。オイルがどんどん排出されていきます。と、言っても元々ギアオイルなんで少量ですがね。このときに銅ワッシャーが車体側に残る場合もあるので、そのときはオイルが抜けきってからでもいいので外しておいてください。
左の長い方がドレンボルトで、右の短い方がオイルチェックボルトです。ペーパーで綺麗に拭いたら、同ワッシャーを新品に替えておきましょう。
オイル類の交換作業は面倒でもこういったビニール手袋を使うことをオススメします。どんなに気を付けていても大体オイルが付着したりするので。私はダイソーで購入しましたよ。
抜いたギアオイル。前回交換してからあまり経っていないので、予想通り綺麗な状態ですね。
オイルが抜けきったら、下のドレンボルトを銅ワッシャーを新品に交換してから締め付けます。締め付けトルクは23N・m。
このときにトルクレンチがあればいいのですが、無ければ締め付けが終わったな〜と思ってから「クッ」くらいでやめておいてください。締め付け過ぎは絶対禁物です。ゆるいんじゃないの?漏れるんじゃないの?くらいでOK。大丈夫!漏れませんから。仮に漏れたら締め直せばいいけど、締め過ぎたら終わり!高額な修理費を掛けないと、二度とギアオイルが交換出来なくなるかもしれませんから。
ドレンボルトを締めたら、次に上側のオイルチェックボルトの穴からオイラーで新しいオイルを注いでいきます。
しばらく入れていると、、、。
このように多く入りすぎた分が出てきます。この多く入りすぎた分が出てこなくなったら適量です。だから最初に多めにオイラーに入れておいたというワケです。
余剰分が出てこなくなったので、オイルチェックボルトを締めて完了です。このときもボルトの締め過ぎには注意してください。
最後にエンジンを掛けて、しばらくアイドリングしてから車体下部を見てオイル漏れがないかどうかチェックしてください。問題なし!
今回PCXのギアオイルの交換をしましたが、スクーターのギアオイル交換って忘れられがちなメンテナンスです。実際オイル交換はやっていてもギアオイルの交換のことはそもそも知らなかった、という人もいるんじゃないでしょうか?
交換スパンは長めだし、オイル交換ほど頻繁にやる必要もないので、単純に忘れている人も多いかもしれません。
今回は、前回の交換から非常に短期間で行った為、交換後の違い特に感じられませんでしたが、全く交換せずに数年間経ってしまった、なんて人は違いを感じられるでしょう。私は実際シグナスZを初めて交換したときはかなりスムーズになりましたからね。
ギアオイルは交換自体は少量で済むし、作業自体も難しくはないので、愛車を長く乗りたいなら、せめて10,000キロごとには交換してあげたいものですね。
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