シグナスZである。
シグナスXでもなければ、アクシスZでも断じてない。そうシグナスZなのである、、、。
シグナスXとアクシスZがごっちゃになってない?
とか、
シグナスXのばったもん?
といったものではなく、正真正銘、シグナスZという車種名のスクーターである。ただし、かつて存在した車種、いわゆる絶版車。しかも日本国内の車種ではなく中国ヤマハがかつて製造していたスクーターである。
このシグナスZを私が新車で購入したのは2011年。当時の私は片道5kmほどの通勤に使うバイクにGN125を使用していましたが、以下の理由でスクーターに買い替えを検討していました。
クルマも保有している私は、コストの面でファミリーバイク特約で乗れる125cc以下の原付二種スクーターで検討していました。また当時の自分のバイク使用用途を考えると、通勤以外ではほとんど使わないのと、アパートでの一人暮らしだったため、当時のアパートの駐輪場に入るくらいのあまり大型じゃないスクーターじゃないとダメ!
本当は当時流行っていた通称コマジェ(台湾ヤマハのマジェスティ125)や、発売後すぐに大人気となった初期型PCXが欲しかったんですが、どちらも大きめの車体で駐輪場に入れるとデカすぎるためNG。
かといって当時から最速の名を欲しいままにしていたアドレスV125は、あまりにも小さすぎて50ccに見えるのでパス(当時の私は小さい車体が好きではなかったので)。
どうせ短距離の通勤にしか使わないから、高いスクーターは要らない。そこそこ走れて安いスクーターってないかなあ?
などと調べていたらあるではないか!
中国ヤマハのシグナスZ??逆輸入モデル?意外とカッコいいじゃん!
新車で約16万円!!メチャクチャ安い!50cc並の値段!もうこれでいいよ。
しかも自宅から割と近いバイク屋が逆輸入のバイクに力を入れていて、シグナスZもそのお店で扱っているため購入も簡単だし、メンテンナンスも任せられるなあ、と。
半分決めかけていたのだけれど、購入前にネットでシグナスZについて良く調べてみました。
調べてすぐに判明したのは、とにかくこのシグナスZはエンストが酷いらしい。実際に購入した人の記事を見ると大抵エンストに苦悩している旨の記述がありました。
スクーターなのにエンスト??
と思うかもしれないが、日本以外の他のアジアからのスクーターはこのシグナスZ以外にも
など、当時から多くの車種があって、その中でも台湾からのシグナスXのキャブレター車やコマジェのキャブレター車などは、その気候の違いからかエンスト問題が結構見受けられていました。
まあでも、購入した人のブログ記事にエンストの対処方も書いてあるし、そういうモンだと思って乗れば大して気にならないんじゃないかい?
と、あまり気にすることもなく、実際に店舗に見に行って、なかなかカッコいいのと値段が安いのと大きさが丁度良いのが決め手となり即決しました。
あ、ちなみに私が購入したシグナスZもキャブレター仕様です。
自分が購入した1年後くらいにインジェクション(FI)仕様が1万円高で販売されたときはちょっとショックを受けましたが、、、。
実際にシグナスZを納車してから自宅に戻るために実走行したファーストインプレッションは思いのほか良かったのを覚えています。
直前までマニュアル車のGN125を乗っていた当時の私は、
まあ、あくまでもGN125からの乗り換え、という視点なので実際はそこまで走行性能は高くないと思いますが、正直意外と走ります。アクセルを捻れば、そこそこの振動と排気音と共に意外と加速性はいいな、って思いましたし、それは今でも変わらないですね。
出だしから比較的スムースに加速し、時速50~60kmまでは結構早いし、70kmまでもちょっと回してればすぐに到達します。時速80kmは少し時間は掛かりますが出ることは出ますね。それ以上回すとエンジンの唸りもそこそこ出ますので、あまり出す気になれないというのが正直なところ。
下り坂では90kmは出ますが、そこまで回すバイクではないかなあ。最高速80kmくらいで考えておいた方がいいですね。というか原付二種でそんなに出したら捕まりますから、出す必要はありませんがね。
最高速はあまり出ませんが、常用域の60kmくらいまでは、そこそこ速いと思いますよ。70kmくらいまでなら結構余力があります。
で、肝心のエンスト病はというと、、、。
やはり購入してからしばらく経つとすぐに症状が出ました。基本的には信号待ちなどのアイドリング中にかなりの確率で止まります。もうね、本当に80~90パーセントの確率でエンジン停止しました。
まあ私の場合は「そういうバイクなんだ」という事前知識をインプット済みで購入していたのと、エンストしてもすぐにセル一発でエンジン再始動出来るので、あまり気にせずに乗っていましたが、知らずに購入した人は相当焦る&怒りがマックスになることでしょうなあ。
その後、購入から数カ月後に、仕事から帰宅途中に自宅近くでエンジンが走行中に止まり、その後再始動も一切出来ない状態になったことが一度だけあったものの(自宅近くだったので押して帰りました)、ヤバい不具合は購入から現在まで10年間所有していますが、その1度だけです。
その症状もプラグを交換したらケロッと治りました。(初期状態のプラグは良く分からないメーカーのプラグが装着されていました)
で、その後もエンストがつきものの状態で慣れてしまって、
俺のシグナスはアイドリングストップ機構が付いている
くらいの気持ちで乗っていた(エンストしてもセルを回せばすぐに再始動出来るのであまり気にならなくなっていた)んですが、購入から9年目の昨年にあることに気が付いて、弄ったところ、なんとエンストの9割くらいは防ぐことが出来たので、別記事に書いておきます。
とまあ、新車で購入から10年間所有して、いまだに現役な私のシグナスZなんですが、そんな人は非常にレアなケースのようです。私の場合、シグナスZに求めていたのは、通勤用の安くてそこそこ走れるスクーターということなので、過度の期待はしていませんでした。そういう意味では期待を裏切らないどころか、むしろ期待以上に走ってくれる意外と出来るヤツだったんです。
エンスト病に関しても、事前に知っていたのであまり気にしなかったのも大きいでしょう。
このサイトを立ち上げることで所有10年目にしていろいろとメンテナンスをやりましたが、それまでは、
だけしか、していませんでした。
タイヤのバーストに関しては、所有者である自分の完全な落ち度ですね。バーストするまで乗る前にタイヤの劣化に気づけ!って話ですね。
バッテリーに関しては、特に問題なく乗っていいて、所有してから6年目くらいで
そういやバッテリーって交換してないけど大丈夫なんだろうか?
と急に怖くなって交換しましたが、それまでは特に変化を感じていませんでした。まあバッテリーはいきなり死亡するものなんで変えておいて正解でした。
なので1度だけプラグを交換した以外は、日常的なメンテナンスは、ほぼ定期的なオイル交換のみで9年間乗り続けてきたわけで、かなりのタフなヤツなんです。
まあ片道5kmの通勤に、それもたまにしか使っていなかったので、約9年間で走行距離が14,000キロくらいしか走っていませんでしたが。10年目にしてちゃんと毎日使うようになり、家も引っ越し距離が遠く(片道15kmほど)なり、一気に走行距離が伸びました。(2021年現在総走行距離23,000kmほど)
とにかく何が言いたいのか?というとこのシグナスZは、エンスト以外は、意外にも普通に使えるタフで安価なスクーターということ。
ただ登場当時から、シグナスXと比べられて、
安いだけが取り柄で、遅くて使えない本当にクソな中華製スクーター
というレッテルをネット上で貼られまくっている可哀想なスクーターなんです。
試しにツイッターでシグナスZで検索してみてください。全く別の車両を「シグナスZ」と書いてる投稿もあれば(大抵シグナスXかアクシスZと間違えている)、思いっきり(何か恨みでもあるのか?)親の敵の如く盛大にディスっている投稿、自虐的にこき下ろす元オーナーであろう投稿などなど、、、。
私は言いたい。そんなにイジメないでくれよ、と。ここに新車で購入以来10年間も所有し、現役で乗り続けているレアなオーナーもいるんですから、と。
そして、最初から期待値を高く設定せずにシグナスZと接していれば、そこまで悪いスクーターではないぞ、と。ただしエンスト病以外はね。(自分が一番シグナスZをディスっているのかも?)そのエンスト病も回避策があるし(デメリットもあるけど、、。)。
まあ冗談はさておき、本当に普通に走れるタフで激安なスクーターであるシグナスZ。
今では本国中国でも絶版となり、新車で手に入れることは不可能ですが、今でも日本で非常に激安な中古やオークションで手に入れることは可能です。
ちなみにこのシグナスZ、発売当時は激安な125ccスクーターなのに、シグナスの名が与えられたこともあり、結構人気があって、全国のいろんなバイクショップで扱っていたこともあり、アフターパーツなんかも結構出回っていました。
また、日本国内で正式に販売されたヤマハのアクシストリート(既に絶版車。アクシスZの前モデル)と車体部品を共有していることもあり、流用出来るパーツもあります。
まあ積極的にシグナスZが欲しい!という人はいないでしょうが、今後も個人売買やオークション、はたまた知人から譲り受ける場合などで、格安もしくは無料でシグナスZを手に入れる人もいるかもしれません。
そんな人のメンテナンスのために、このサイトのシグナスZの情報が役に立てば最高ですね。
© 2021 ゲニスク